Q1
ナノインデンテーション試験片の研磨条件
研磨方法の違いが硬さ・弾性率に与える影響の考え方について教えてください。加工変質層の影響をより低減できるか知りたいです。
Q2
試験片の固定方法の影響
試験片固定方法の違いが測定結果に与える影響をどのように考えればよいでしょうか。
A. 試料の固定は、可能な限りリジットに行うことが重要です。超硬材料の場合は瞬間接着剤または力学的固定が推奨されます。それ以外の試料では、これらに加えて磁石や修正液を用いることも可能です。一方、やわらかい粘着テープは、その柔らかさが測定結果に影響を及ぼすため、使用は避けた方がよいと考えられます。
Q3
FIB加工後の低加速イオンミリングと形状保持
FIBで形状加工した微小試料に低加速イオンミリングを行うと、加工領域が制御できず形状が崩れやすくなります。加工プロセスの工夫があれば教えてください。
A. イオンミリングを行う場合は、最終形状に対して少し余地を残して加工することが有効かもしれません。厚みが多少想定とずれる可能性はありますが、サンプル形状が維持できなくなるリスクは低減できます。FIB で可能な限りダメージを抑えて加工し、イオンミリングは最低限に留める方法も有効です。
Q4
ナノインデンターによる接着力評価の動向
ナノインデンターを用いた薄膜と基材の接着力評価に関する要望や、関連する測定手法・技術動向があれば知りたいです。
A. 基材との接着力評価としては、ナノインデンテーションによる押し込みで剥離(浮き)を誘発する手法や、スクラッチ試験による剥離評価などが挙げられます。
Q5
下地や周辺構造の影響評価
ナノインデンテーションやスクラッチにおいて、下地、圧痕間隔など周辺構造の影響はどのように検証すればよいでしょうか。
A. 下地の影響は、押し込み深さを変えたプロファイル測定により検証可能です。隣接部の影響については、ISO では圧痕間隔を圧痕径の 5 倍以上とする記載がありますが、実際には試料に依存します。距離を変えて測定し、周辺測定の影響を受けるかどうかを検証することが重要です。
Q6
極めて柔らかい材料の弾性率評価
柔らかいゴムや粘着剤では、押し込み試験で引張試験より高い値が出やすいと感じています。その原因と、ナノインデンターで適切に評価するための工夫を知りたいです。
A. ナノインデンテーションは圧縮試験であり、引張試験とは試料の応力状態が異なります。この影響が顕著な場合、測定前に十分な応力緩和時間を設けることで、影響を低減できる可能性があります。
Q7
ナノスクラッチ痕の3次元形態と物性
ナノスクラッチ後の盛り上がり形状やクラック形態にも、膜の降伏や破断特性が反映されると考えています。知見があれば教えてください。
A. スクラッチ後の変形形態については、pile‑up は材料が横方向へ塑性流動しやすく、降伏応力が低い傾向を示す可能性があり、sink‑in はその逆といった解釈が報告されています。
Q8
応力–ひずみ関係と降伏強度の評価
ナノインデンテーション結果から応力–ひずみ関係を構成し、降伏強度を評価する手法を教えてください。
A. 応力–ひずみ挙動の評価としては、球形圧子を用いた連続剛性評価や、表面形状観察と組み合わせた解析などの方法があります。
Q9
100 nm以下の高分子薄膜の基板影響問題
金属基板上の100 nm以下の高分子薄膜では、基材影響により硬度・弾性率が高く算出されます。膜単体の物性を抽出する手法や、代替評価法があれば知りたいです。
A. 下地が表面膜よりも柔らかい場合、下地の影響は顕在化しやすくなります。この場合、押し込み深さを極力浅くする方法に加え、力学モデルやシミュレーションを用いた解析が有効と考えられます。