Brukerではお客様の様々なアプリケーションに対応するためにさまざまな形状・サイズの圧子をご提供しております。このページはアプリケーションに最適なプローブを選択するための参考資料です。
バーコビッチ圧子はナノインデンテーションで標準的に用いられる圧子です。3面ピラミッド型の構造をしており、圧子の内角は142.35°、中心線と面のなす角度は65.35°、圧子のアスペクト比は1:8です。バーコビッチ圧子はマイクロスケールの試験でよく用いられているビッカース圧子と深さに対する接触投影面積の比率が同じであるため、ナノインデンテーションでは幅広く用いられています。先端曲率半径が小さく塑性変形を生じさせ易いため、硬さの評価にも向いています。また、極端に柔らかい材料でない限り、in-situ SPM イメージング機能で形状像などを取得できます。
先端曲率半径が大きい圧子であるほど、柔らかい試料(ゴム状ポリマーや柔らかい生体材料など)に適します。これは圧子の接触面積が大きくなり、小さな押し込み深さでも荷重などの情報を検出し易くなるためです。
また、スクラッチ試験において、スクラッチする向きの影響を受けにくいため、頻繁に用いられます。さらに、塑性変形を起こさない領域での評価(応力ひずみ曲線を用いた降伏応力の評価など)にも採用されます。
フラットエンド圧子は2種類あり、フラットパンチ(先端が平らな円筒形)圧子と60°の円錐で先端が平らな圧子です。圧子の先端とサンプルと完全に平行にするが非常に難しいため、フラットエンド圧子は通常、非常に柔らかいサンプルの試験かファイバーのプッシュアウト試験などの限られたアプリケーションでのみ使用されます。
液中測定仕様とするために、長さが約4 mmの延長シャフトを取り付けた圧子です。上記のほとんどの種類の圧子を液中仕様にすることができます。圧子が液体を貫通する箇所に存在するメニスカス力を最小限に抑えるために、延長シャフトの直径は約できる限り小さくしています。液中圧子は、サンプルを液体に浸す必要があるすべてのアプリケーションに使用されます。
上記のほとんどの種類の圧子を温湿度制御ステージで使用できるようにしたものです。で利用できます。 温湿度制御ステージに搭載したサンプルにアクセスできるようにシャフトを長くしています。このシャフトはトランスデューサーへの熱伝達量を抑えることのできる材質を用いており、ドリフトを生じさせずに温湿度制御下の試験を実施できます。
nanoECR圧子は、nanoECR(電気接触抵抗)オプションで使用できるように作製されています。ホウ素をドープしたダイヤモンドと圧子ホルダーからトランスデューサーへの低抵抗の導電パスで構成されているため、サンプルステージからの電気信号を取得することができます。
ヌープ圧子は4面ピラミッド型プローブで、プローブの断面は1つの軸が他の軸よりもはるかに長い菱形です。この圧子は異方性のあるサンプルに対し、異方性が機械的特性に与える影響を調べるために用いられます。
ウェッジ圧子のいくつかの異なる形状が利用可能で、サンプルに方向依存がある場合や特定の形状のサンプルを試験する場合に使用されます。他に基板と薄膜の間の界面に直接インデンテーション試験を実施し、層間剥離を引き起こすために使用されることがあります。