【第4回】高速AFMオンラインシンポジウム
高速AFMによる生命活動観察 ~最新研究とその観察手法について~
ブルカージャパンナノ表面計測事業部では、この度高速AFMのオピニオンリーダーの研究者の方々をお招きし「【第4回】高速AFMオンラインシンポジウム」を今年も開催致します。
本シンポジウムでは、昨年高速AFMの開発に関するご功績により紫綬褒章を受賞されました、金沢大学の安藤先生より高速AFMの基礎、観察のノウハウ、最近のバイオ応用研究について紹介して頂くほか、本技術を用いたご研究や応用事例を大阪大学 山下先生と東レリサーチセンターの村司様よりご講演いただきます。ライブのみのイベントとなります。皆様のご参加をスタッフ一同お待ちしております。
日時 | 2024年2月16日(金) 16:00~17:30 (15:45ログイン受付開始) |
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形式 | ウェビナー(ブラウザ経由での視聴となります。アプリのインストールは不要です。) ※ウェビナー配信サービスには「GoToWebinar」を利用致します。 GoToWebinar のインストールが可能なPC及びモバイル端末等をご用意をお願い致します。ご勤務先のセキュリティーポリシーによってはアクセスが許可されていない場合もございます。事前にIT部門の方へご確認願います。ご登録後にウェビナー参加詳細が書かれたメールが届きます。当日は開始10分前までに、メールに記載されたリンクをクリックし、参加します。(当日は15分前よりログイン頂けます。) GoToWebinar システム要件はこちら▶ https://bit.ly/3sne6xl |
参加費 | 無料(事前登録制) |
お申込 | 登録フォームよりお申込み下さい。 WEB登録フォーム |
時間 | 内容 (当日のプログラムは予告なく変更することがございます。) |
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16:00~16:05 | 開催のご挨拶 |
16:05~16:20 | 特別講演 試料にも依存するが、市販高速AFM装置によるイメージングの時間分解能は現状では約100ミリ秒である。私の研究室が開発した最新高速AFMでは、表面凹凸の空間周波数が比較的低いタンパク質の場合約10ミリ秒、空間周波数が高いタンパク質の場合では30ミリ秒でイメージングできる。更なる高速化のボトルネックは主に微小カンチレバーにある。現在普及している微小カンチレバーの水中共振周波数は400~500 kHzであるが、これを数倍上げる開発がカンチレバーメーカーですでに進められている。高速AFMの応用論文数は年々増加しているが、その対象は、合成高分子、界面活性剤、ナノバブル、半導体、電池などの非バイオ系は少なく、タンパク質やDNAなどの生体高分子が圧倒的に多い。高速AFMは主にイメージングに使われるが、タンパク質分子の速い構造変化のキネティクス測定のために、XZのみ走査する高さのラインプロファイル測定、或いは、Z走査のみ行う高さスペクトロスコピー測定が最近行われている。前者ではミリ秒の、後者では10マイクロ秒の時間分解能が得られる。 金沢大学 ナノ生命科学研究所 特任教授 安藤 敏夫 先生 |
16:20~16:45 | 特別講演 転写因子は遺伝子発現を制御することでタンパク質の合成を調節する、生命機能の維持に重要なDNA結合タンパク質である。ヒトゲノムだけで千種類以上あると考えられている転写因子はその多くが二量体を形成し、6~10塩基対の特定の配列(標的配列)に結合して遺伝子発現を制御することが分かっている。しかし、転写因子が二量体を形成する仕組みや、膨大なDNA配列の中から僅か数塩基対の標的配列をどのように探し出して制御するかはいまだに良く分かっていない。我々は、高速AFMを用いて藻類の光依存的な分枝に関わる転写因子を改変したPhotozipper(PZ)を観察したところ、暗所と明所でPZ分子の構造が変化している様子や、光照射に伴って二量体を形成する過程を観察することに成功した。この計測をもとにPZ二量体を詳しく調べた結果、暗所よりも明所で形成される二量体の方が安定してペア構造が維持されていたことから、分子の構造変化が二量体形成に重要な役割を果たしていることが明らかとなった(A.Tsuji, H. Yamashita et al, Sci. Rep. (2022))。本講演では、これらPZ分子の構造動態の詳細と、DNA上でのPZ分子の動態過程を観察した結果についても紹介する。 大阪大学 大学院基礎工学研究科 附属極限科学センター 山下 隼人 先生 |
16:45~17:10 | 特別講演 高速AFMが試料のダイナミクスを高い時間分解能で観察(可視化)できる手法として、主にライフサイエンス分野で活用されているのは周知の通りである。東レリサーチセンターにおいてもタンパク質の動態解明(結合や解離)に取り組んでいるほか、高分子膜のような工業材料の特性分析への展開も図っている。本講演では、最先端研究という視点からは少し離れて、ユーザーの立場から適用事例についてご紹介する。 株式会社東レリサーチセンター 表面科学研究部 表面科学第1研究室 村司 雄一 様 |
17:10~17:25 | 「高速に!より簡単に! 自動化に特化した高速AFM NanoWizard ULTRA Speed 3」 高速AFMに限らず、目的の構造、現象を観察するための試料調製条件は非常に重要になっています。そのため数多くの試験条件を試す必要があり、その時間を短縮することは研究を加速する上でボトルネックと言ってよいでしょう。新製品のNanoWizard ULTRA Speed 3は、AFM測定に関する研究者への負担を最小限にするための機能が多数搭載されています。当日はその機能に関して紹介させていただきます。 ブルカージャパン株式会社 ナノ表面計測事業部 アプリケーションエンジニア 塚本 和己 |
17:25~17:30 | クロージング |
TEL:03-3523-6361 / FAX : 03-3523-6364
ブルカージャパンナノ表面計測事業部では、この度高速AFMのオピニオンリーダーの研究者の方々をお招きし「【第三回】高速AFMオンラインシンポジウム How to use High Speed AFM?~高速AFMの全手順や測定のコツ~」を開催致します。
本シンポジウムでは、高速AFMの発祥の地である金沢大学から講師をお招きし、高速AFMの基礎、観察のノウハウ、最近のバイオ応用研究について紹介して頂きます。 ライブのみイベントとなります。皆様のご参加をスタッフ一同お待ちしております。
日時 | 2022年12月23日(金) 16:00~17:30 (15:45ログイン受付開始) |
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形式 | ウェビナー(オンラインによるWEBセミナー)※ウェビナー配信サービスには「GoToWebinar」を利用致します。 GoToWebinar のインストールが可能なPC及びモバイル端末等をご用意をお願い致します。ご勤務先のセキュリティーポリシーによってはアクセスが許可されていない場合もございます。事前にIT部門の方へご確認願います。ご登録後にウェビナー参加詳細が書かれたメールが届きます。当日は開始10分前までに、メールに記載されたリンクをクリックし、参加します。(当日は30分前よりログイン頂けます。) GoToWebinar システム要件はこちら▶ https://bit.ly/3sne6xl |
参加費 | 無料(事前登録制) |
お申込 | 登録フォームよりお申込み下さい。 WEB登録フォーム |
時間 | 内容 (当日のプログラムは予告なく変更することがございます。) |
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16:00~16:05 | 開催のご挨拶 |
16:05~16:15 | 特別講演 米国の生物物理学会年会に最近参加された方はお気付きと思うが、高速AFMを使ったバイオ研究がいくつも発表されている。もちろん、日本でも同様である。これまではAFMから高速AFMに乗り換えた研究者が多くを占めていたが、最近ではAFMの利用経験がない研究者が高速AFMを利用するようになった。普及とともに高速AFMの性能と操作性向上に対する要望が増えている。性能については「より低侵襲、より高速」が求められているが、我々の技術開発により最近ではかなり進歩しており、もろいアクチン線維を1秒間に数十画像撮ることも可能になっている(最新技術の効果を一部紹介する)。その一方で、操作性の向上は費用対効果の点で難しく、高速AFMは初めて経験する人にとってはハードルが高いらしい。原理をきちんと理解していても、実際の作業で躓くこともある。そこで、高速AFMによるバイオ研究事例を紹介してきた本シンポジウムのスタイルを今回は変更し、高速AFMの実際の利用法、コツに焦点を当てる。 金沢大学 ナノ生命科学研究所 特任教授 安藤 敏夫 先生 |
16:15~16:45 |
高速原子間力顕微鏡(AFM) は液中にある生体試料の構造と動態を同時に可視化することが出来る強力な装置である。 2001年の第一世代の高速AFMの開発以来、 様々な要素技術開発によってイメージング速度や試料への低侵襲性、 操作性は格段に向上し高速 AFM は バイオサイエンス分野をはじめ 、 様々な 研究者に使用される装置となっている。しかしながら、高速AFMを初めて使用するユーザーにとって、イメージング速度や走査範囲等の観察条件やカンチレバーの振動振幅やフィードバック制御のセットポイント等の 機械的 パラメーターを最適に決定することは簡単ではない。本講演では、 経験の浅いユーザーを対象に 高速AFM を使用するうえで必要な知識 や効率 良く 実験を行うための工夫等、 実践的な測定方法やノウハウを紹介する。 また、高速AFM観察を成功させるために最も重要な基板の選定法についても解説する。 金沢大学 ナノ生命科学研究所 特任助教 福田 真悟 先生 |
16:45~16:50 | 質疑応答 |
16:50~17:20 | 「高速AFM ”NanoRacer” によるデモンストレーション」 近年の原子間力顕微鏡(AFM)の技術開発により,液中でのかつてない高速イメージングが可能になってきました。高速AFMは、個々のタンパク質の結合挙動、二次元的なタンパク質のダイナミクス、モータータンパク質や膜の輸送、核酸の構造変化などの動的変化を観察することができます。 本ウェビナーでは、高速AFM、NanoRacerを簡単に紹介し、どのように操作できるかをご確認いただければと思います。 ブルカージャパン株式会社 ナノ表面計測事業部 アプリケーションエンジニア 塚本 和己 |
17:20~17:25 | 質疑応答 |
17:25~17:30 | クロージング |
登録フォーム |
TEL:03-3523-6361 / FAX : 03-3523-6364
ブルカージャパンナノ表面計測事業部では、この度高速AFMのオピニオンリーダーの研究者の方々をお招きし「【第二回】高速AFMオンラインシンポジウム~高速AFMによる蛋白質分子の動態観察~」を開催致します。
本シンポジウムでは、高速AFMの発祥の地である金沢大学から講師をお招きし、最新技術、観察のノウハウ、最近のバイオ応用研究について紹介して頂きます。 ライブのみイベントとなります。皆様のご参加をスタッフ一同お待ちしております。
日時 | 2021年12月23日(木) 16:00~18:00 (15:30ログイン受付開始) |
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形式 | ウェビナー(オンラインによるWEBセミナー)※ウェビナー配信サービスには「GoToWebinar」を利用致します。 GoToWebinar のインストールが可能なPC及びモバイル端末等をご用意をお願い致します。ご勤務先のセキュリティーポリシーによってはアクセスが許可されていない場合もございます。事前にIT部門の方へご確認願います。ご登録後にウェビナー参加詳細が書かれたメールが届きます。当日は開始10分前までに、メールに記載されたリンクをクリックし、参加します。(当日は30分前よりログイン頂けます。) GoToWebinar システム要件はこちら▶ https://bit.ly/3sne6xl |
参加費 | 無料(事前登録制) |
お申込 | 登録フォームよりお申込み下さい。 WEB登録フォーム |
時間 | 内容 (当日のプログラムは予告なく変更することがございます。) |
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16:00~16:05 | 開催のご挨拶 |
16:05~16:25 | 特別講演 高速AFMは2008年頃に確立し、個々のタンパク質分子の動的な姿と機能動作の直接観察を可能にした。高速AFMはすでに市販され、バイオ分野に限らず、マテリアルサイエンスでも利用されており、液中ナノ世界の研究に必須な技術となっている。最近の”Only trace imaging”法の開発などにより高速性能と低侵襲性能の両方が向上し、2-3年のうちに脆弱な試料でも1秒間に100画像を撮れるようになると予想される。その実現により、観察可能な試料系と現象の大幅な拡大が見込まれる。本講演では、最近の技術開発の進展を概観するとともに、個々の試料系の観察で実施された工夫を具体的に紹介し、高速AFMを自身の研究に利用することを考えている学生や研究者の一助としたい。 金沢大学 ナノ生命科学研究所 特任教授 安藤 敏夫 先生 |
16:25~16:45 | 特別講演 カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII(CaMKII)は巨大な12量体を形成し、薬理学的実験やノックアウトマウスを用いた実験より、神経細胞内の“記憶タンパク質”と推定され、様々な研究手法により、その詳細な構造や機能が研究されてきた。しかしながら、Ca2+/CaMの結合による活性化状態、および、その後に起こるリン酸化状態に関する構造ダイナミクスは、これまでほとんど報告されていない。高速AFMを12量体CaMKIIへ適用し、活性化状態におけるキナーゼドメインの構造ダイナミクスを直接可視化した結果、キナーゼドメインは12量体リングの周辺を自由に動くが、Ca2+/CaMの結合により、リングの動径方向へ約3 nm広がり、運動の自由度を下げることが分かった。また、CaMKIIの分子内には、主に2つのリン酸化部位があるが、記憶形成に関わるThr286のリン酸化では、キナーゼドメインの運動性が向上する一方で、記憶消去に関わるThr305/306のリン酸化では12量体内のキナーゼドメインが互いに凝集し、運動性を大きく下げることが分かった。講演では、高速AFMにより明らかとなったCaMKIIの活性化状態におけるキナーゼドメインの運動性と機能との相関について議論する。 金沢大学 ナノ生命科学研究所・新学術創成研究機構 教授 柴田 幹大 先生 |
16:45~17:05 | 特別講演 「高速AFMによる抗ストレスタンパク質ペルオキシレドキシン2(Prx2)の脂質依存的な高分子量複合体形成過程の解明」 Prx2は、細胞内の過酸化水素(H2O2)などの活性酸素種の除去を介して細胞保護に寄与しているが、過剰のH2O2や高温などのストレス条件下において、20~30 kDaのモノマー、或いはダイマーが会合し1,000 kDa以上の球状高分子量複合体を形成することが知られている。発表者らが高速AFMを用いてPrx2の球状高分子量複合体形成過程を観察したところ、意外なことに、タンパク質(Prx2)のみで形成されていると考えられていた球状高分子量複合体は、実際には脂質と融合した形態で構成されていた。講演では、Prxと脂質が相互作用する過程を高速AFMによりリアルタイムで観察した結果について紹介する。また、Prxと脂質を含む球状高分子量複合体(小胞)の生理学的意義を生化学、分子生物学的手法により調べた結果についても紹介する。 金沢大学 ナノ生命科学研究所 准教授 紺野 宏記 先生 |
17:05~17:25 17:25~17:45 (装置デモ) | 「Unravelling Molecular Dynamics with True High-Speed AFM」<英語による発表となります> Recent atomic force microscopy (AFM) technology developments have led to unprecedented imaging rates in fluid, setting new milestones in high-speed scanning capabilities. Bruker recently launched the fastest commercially available high-speed AFM (NanoRacer®) able to reach a scanning speed of 50 frames/sec. High-speed AFM not only delivers atomic resolution but also enables the true, real-time visualization of time-resolved dynamics associated with cellular processes and the binding mechanisms of individual biomolecules. For example, the dynamics of individual protein binding behaviour, two-dimensional protein assemblies, motor proteins, membrane trafficking, structural transitions of nucleic acids, can now be observed. Join us for a live demonstration from the BioAFM labs of Bruker Nano Surfaces in Berlin, Germany. Two of our experts - Dr. Thomas Henze and Dr. Andreas Kraus, will introduce to the concept, theoretical background, application examples and demonstrate realtime high-speed AFM operation. Do not miss the opportunity to get a first-hand experience and learn how video-rate imaging at 50 frames/sec can provide new insights into your life science research! Keywords: High-Speed AFM, Videorate Imaging, Visualisation of Molecular Dynamics, DNA Origami Nanostructures, BioAFM, Bruker 高速AFMによる分子動力学を理解する~最速50フレーム/秒 NanoRacer応用事例とライブデモ~ 近年の原子間力顕微鏡(AFM)の技術開発により,液中でのかつてない高速なイメージングが可能となり,高速走査性能の新たなマイルストーンとなっている。ブルカーは、市販の高速AFMとしては最速の50フレーム/秒の走査速度を実現したNanoRacer®を発表しました。高速AFMは、原子レベルの分解能を実現するだけでなく、細胞のプロセスや個々の生体分子の結合メカニズムに関連する時間分解されたダイナミクスを、真の意味でリアルタイムに可視化することができます。例えば、個々のタンパク質の結合挙動、二次元的なタンパク質の集合体、モータータンパク質、膜の輸送、核酸の構造変化などのダイナミクスを観察することができます。 本セミナーでは、ドイツ・ベルリンにあるブルカー ナノ表面計測事業部のBioAFMラボから、Dr. Thomas Henze と Dr. Andreas Krausより、ライブ中継にてバイオAFMのコンセプト、理論的背景、応用例を紹介し、また実際に高速AFMの操作デモンストレーションを実施致します。50フレーム/秒のビデオレートイメージングが、ライフサイエンス研究にどのような新しい知見をもたらすのか、是非お確かめください。 キーワード : 高速AFM, ビデオレート・イメージング, 分子動力学の可視化, DNA折り紙ナノ構造, BioAFM, Bruker Corporation Nano Surface and Metrology Division Dr. Thomas Henze Bruker Corporation Nano Surface and Metrology Division Dr. Andreas Kraus |
17:45~17:55 | 「Open Forum Discussion」 |
17:55~18:00 | クロージング |
登録フォーム |
TEL:03-3523-6361 / FAX : 03-3523-6364
ブルカージャパンナノ表面計測事業部では、この度、高速AFMのオピニオンリーダーの研究者の方々をお招きし「単一生体分子の動的プロセス評価に向けた高速AFM技術」と題したオンラインシンポジウムを開催致します。
本シンポジウムでは、高速AFMの第一人者である金沢大学の安藤教授より高速AFMの開発秘話や今後の展望などをご講演頂くほか、本技術に幅広い見識を持つ講師をお招きしご研究や応用事例についてをご紹介頂きます。皆様のご参加をスタッフ一同お待ちしております。
日時 | 2020年12月15日(火) 13:30~15:30 (13:00ログイン受付開始) 本イベントは終了いたしました。 |
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形式 | ウェビナー(オンラインによるWEBセミナー)※お持ちのPCにてインターネット経由でのご参加となります。インターネットに接続できる環境でお手元のパソコンや各種端末からご参加いただけます。 ウェビナー配信サービスには「GoToWebinar」を利用致します。(※GoToWebinarをインストール可能なPC、モバイル端末等のご用意が必要となります。) |
参加費 | 無料(事前登録制) |
お申込み | 下記登録フォームよりお申込み下さい。 ● WEB登録フォーム |
時間 | 内容 (当日のプログラムは予告なく変更することがございます。) |
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13:30~13:35 | 開催のご挨拶 |
13:35~13:55 | 特別講演 高速AFMは約15年に亘る要素技術開発を通して2008年頃に確立された。高速AFMは個々のタンパク質分子の姿とその動作を直接観察することを初めて可能にした。現在では広く利用され、バイオ分野に限っても既に300編近い論文が発表されている。捉えた動画像には既知の事実だけでなく、今まで知られていなかった分子の振る舞いも現れることが多く、意外な新発見に導く。上手に対象を選び、それに適したアッセイ系を構築し、色々な溶液条件で観察を繰り返し、得られたデータを丹念に解析すれば、新発見に至る可能性は増大する。2008年以降も高速AFM技術は進歩している。イメージング速度、試料への低侵襲性といった基本性能も徐々に改善されてきている。機能拡張も進んでおり、例えば、蛍光顕微鏡や光ピンセットとの融合システムや、イメージング中に試料操作可能なインターラクティブモードが開発されている。本講演では高速AFM技術とそのバイオ応用研究の全体を概観し、高速AFMを自身の研究に利用することを考えている学生や研究者の一助としたい。 金沢大学 ナノ生命科学研究所 特任教授 安藤 敏夫 先生 |
13:55~14:15 | 特別講演 MeCP2(メチル化CpG結合タンパク質2)は、染色体制御に関わるタンパク質であり、脳の発達や脊椎動物の活動に必須である。MeCP2の変異は、レット症候群とよばれる神経発達障害を引き起こすが、天然変性領域とよばれる従来の構造解析の手法では解析が難しいヒモ状の形状をもつめ、分子全体の形状や動態の情報は欠如していた。高速AFMで野生型のMeCP2を観察すると、MeCP2は小さな構造部位から2本のヒモ状部位が生えている形状をしていることが明らかとなった。面白いことに、小さな構造部位は、フォールドとアンフォールドの構造遷移を示した。また、レット症候群を引き起こす変異体を解析すると、小さな構造部位の構造安定性は野生型のものと異なることが明らかとなった。さらに、DNAとの相互作用の様式やDNAの凝集過程を直接観察することに成功した。発表では、高速AFMで撮影された映像を交えながらMeCP2の分子動態について議論したい。 金沢大学 ナノ生命科学研究所 教授 古寺 哲幸 先生 |
14:15~14:35 | 特別講演 「高速原子間力顕微鏡による医学薬学研究への展開 ―アミロイド凝集過程とその抑制因子の作用機序の解明を目指して―」 高齢社会の中で、老化とともに進行するアルツハイマー病、パーキンソン病、2型糖尿病などのアミロイド凝集を原因とする疾病が顕在化してきており、病理メカニズムの解明と予防・診断・治療方法の開発が課題となっている。 近年、複数のアミロイド病で、原因タンパク質が凝集過程で多様な構造をとり、構造と表現型(症状)の間に相関があることが発見され、原因タンパク質の構造動態の解明が欠かせない状況となっている。しかし、多様な構造の凝集分子種の共存が解析を困難にしている。 高速原子間力顕微鏡(高速AFM)が実現した個別の分子の構造動態の撮影は、多様な分子種が共存する中での個々の凝集体分子種の構造動態の解明を可能にした。本セミナーでは、これまで撮影してきた様々なアミロイドタンパクの構造動態について紹介したい。 金沢大学 ナノ生命科学研究所 准教授 中山隆宏 先生 |
14:35~15:55 | 特別講演 光化学系II(PSII)は光合成水分解反応を担う膜タンパク質複合体である。水分解の触媒部位はMn4¬CaO5クラスターであり、D1およびCP43タンパク質のアミノ酸残基を介してPSIIの内腔側に結合し、さらに周囲を3種類の表在性タンパク質に囲まれている。PSIIはこれまで、X結晶構造解析やクライオ電子顕微鏡などで詳細な構造決定が行われてきたが、大域的な構造ダイナミクスに関する知見は殆どなかった。高速AFMによりチラコイド膜上でのPSII複合体の観察を行ったところ、表在性タンパク質の段階的な解離やPSIIの一部ドメインの大きな可逆的構造変化が観察を観察された。講演では、高速AFMで可視化されたPSIIの大きな構造変化のドメイン同定とその機能的意味について議論する。 名古屋大学大学院 理学研究科 教授 内橋 貴之 先生 |
14:55~15:15 | 「新規高速AFM NanoRacer ~毎秒50フレームで分子動力学のリアルタイム観察~」 今夏、新しくリリースされた高速AFMシステム NanoRacerは、毎秒50フレームという圧倒的なイメージング速度を誇り、高速性に加え原子分解能を兼ね備えた高いイメージング性能,そしてこれまでにない使いやすさを実現しています。NanoRacerは、微小カンチレバーの使用を想定して設計されており、流体中の試料観察において100 nm x 100 nmの走査範囲、測定点数10,000ピクセルの条件下にて秒間50フレームのイメージングを実現しています。さらに光熱励振機能や,新しい高分解能XYZフレクシャースキャナー、そして,その各軸に低ノイズ位置センサーを搭載したNanoRacerは、世界最高レベルの力検出感度と高い空間分解能、そして最高の安定性を兼ね備えております。生化学、分子生物学そして医療関連分野において,単一分子の振る舞いや分子反応のダイナミクス解析にNanoRacerを用いることで、現象に対するより深い理解につながるデータの獲得が可能となると期待されます。 ブルカージャパン株式会社 アプリケーション部 アプリケーションエンジニア 塚本和己 |
15:15~15:25 | オープンフォーラムディスカッション |
15:25~15:30 | クロージング |
TEL:03-3523-6361 / FAX : 03-3523-6364